浄水型サーバー

浄水型ウォーターサーバーは何を除去できる?除去項目を比較

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浄水型ウォーターサーバーを調べていると、「除去項目数31項目」「除去物質数50種類」「29種類の不純物を除去」といった数字が並びます。一見すると、数が多い機種ほど高性能に見えます。

ところが公式サイトを1社ずつ読み比べると、この数字は各社で数え方が違い、そのまま大小を比べられるものではありません。細菌やウイルスを「種類」に含めている会社もあれば、化学物質だけを「項目」として数えている会社もあります。

この記事では、主要な浄水型サーバー5機種について、各社公式が公表している除去物質の中身を取得日つきで並べ、どこが共通で、どこに本当の差があるのかを整理します。数字の大きさに引っ張られずに選べるようになるのが目的です。

※本記事の内容は各メーカーの公式サイトに掲載されている情報に基づいています(実機検証前)。当サイトで水質を測定した結果ではありません。仕様は改定されることがあるため、申し込み前に必ず各社公式でご確認ください。また、本記事は特定の物質の健康影響について診断・断定するものではありません。

結論:土台はほぼ同じ、差がつくのは「上乗せ部分」

先に結論を書きます。今回調べた5機種は、全社が「JIS S 3201の17項目」と「PFAS(PFOS・PFOA)」の両方を除去対象として公表していました(各社公式・2026-08-23確認)。ここは共通の土台になっています。

差がつくのは、その上に何を積んでいるかです。

  • エブリィフレシャス(mini/tall/tall+cafe):有害物質40種類に加え、細菌8種類・ウイルス2種類まで数に含めて「50種類」と公表
  • ハミングウォーター flows:JIS17項目+JWPAS Bその他14項目で「31項目」
  • Locca litta:JIS17項目+その他12項目で「29種類」
  • しずくりあ Pitto/Pitto mini:JIS17項目+JWPAS B 3項目で「20項目」
  • ウォータースタンド ピュアライフL:JIS17項目+JWPAS B.210 3項目で「20項目」

つまり、50と20の差は「性能が2.5倍違う」という意味ではありません。数に何を入れているかが違うだけ、という部分がかなり含まれています。

そもそも「除去項目」の基準は2つある

各社が根拠にしている基準は、大きく2つです。

基準1:JIS S 3201(家庭用浄水器試験方法)

国家規格であるJIS S 3201:2019は、家庭用浄水器の試験方法を定めた規格です。しずくりあ公式の解説によると、この規格では家庭用品品質表示法で表示が義務づけられた「法定12項目」と、任意で性能表示できる「任意5項目」の合計17項目が除去対象物質として定められています(2026-08-23確認)。

内訳は次のとおりです(Locca公式・ウォータースタンド公式の記載より・2026-08-23確認)。

分類物質
味・においに関わるもの遊離残留塩素、2-MIB(カビ臭)、ジェオスミン、陰イオン界面活性剤、フェノール類
見た目に関わるもの濁り(濁度)
発がん性などが指摘されるもの総トリハロメタン、クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルム、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、ベンゼン、1,2-DCE(シス/トランス-1,2-ジクロロエチレン)
重金属溶解性鉛
農薬CAT

ここで重要なのは、「除去」の意味です。ウォータースタンド公式の注記によれば、JIS S 3201のろ過能力試験で言う除去とは**除去率80%**を指します(2026-08-23確認)。ゼロになるわけではありません。

基準2:JWPAS B(浄水器協会の自主規格基準)

もう一つが、一般社団法人浄水器協会が定める自主規格基準「JWPAS B」です。しずくりあ公式によると、JIS規格には含まれないものの、除去が望ましいとされる物質を対象にしており、近年注目されているPFOS・PFOAもこの基準に含まれます(2026-08-23確認)。

浄水型サーバーの「JIS17項目+◯項目」という言い方の、後ろの「◯項目」がここに当たります。

主要5機種の公表内容を並べる

各社公式に載っている内容を、そのまま並べます。数字はすべて2026-08-23に各社公式ページで確認したものです(エブリィフレシャス https://every.frecious.jp/cartridge/ ・ハミングウォーター https://www.hummingwater.com/waterserver/remove-impurity/ ・Locca litta https://locca.premium-water.net/litta/ ・しずくりあ https://shizuclear.jp/special/detail/25 ・ウォータースタンド https://waterstand.jp/products/purelife.html )。

機種公表している数内訳PFASの記載
エブリィフレシャス mini/tall/tall+cafe50種類有害物質40+細菌8+ウイルス2PFAS(PFOS・PFOA)を99.9%以上除去と公表
ハミングウォーター flows31項目JIS17+JWPAS Bその他14PFOS・PFOA・PFHxSを除去対象に記載
Locca litta29種類JIS17+その他12PFOS・PFOAの除去が可能と記載
しずくりあ Pitto/Pitto mini20項目JIS17+JWPAS B 3PFOS・PFOAをJWPAS B 3項目に含む
ウォータースタンド ピュアライフL20項目JIS17+JWPAS B.210 3PFOS・PFOAをJWPAS B.210 3項目に含む

補足を3つ。

1つ目。エブリィフレシャスは同じブランド内でも数字が違います。公式スペック比較表では、mini/tall/tall+cafeが50種類、liteは32種類と明記されています(2026-08-23確認)。「エブリィフレシャス=50種類」と一括りにはできません。

2つ目。しずくりあとウォータースタンドは、公表している20項目の中身がほぼ同じです。どちらも**「ナノトラップフィルター」+「プラスイノセンスフィルター(LR)」の2段構成**をとっており、JWPAS Bの3項目もアルミニウム(中性)・鉄(微粒子状)・有機フッ素化合物(PFOS及びPFOA)で一致していました(両社公式・2026-08-23確認)。フィルターの系統が同じであれば、公表内容が似るのは自然なことです。

3つ目アクアバンクについては、公式(正規取扱代理店)サイトでカートリッジの素材構成(銀添活性炭、竹炭、セラミック類など)の説明は見つかりましたが、JIS S 3201に基づく除去項目の一覧は確認できませんでした(アクアバンク正規取扱代理店 公式サイト https://aqua-bank.jp/ ・2026-08-23確認)。数が公表されていないことと性能が低いことは別の話ですが、**この記事の比較軸では「未確認」**として扱い、表には載せていません。

浄水型 | 除去項目の公表内容

公表されている「数」は、そのまま比べられるのか

全社ともJIS17項目とPFASは押さえています。違うのは数え方です

JIS S 3201の17項目数に細菌・ウイルスを含むかPFASの除去率の公表
エブリィフレシャス mini/tall 50種類 有害物質40種類の中に含む 含む(細菌8・ウイルス2)ため他社と単純比較できない 99.9%以上・試験条件も公表
ハミングウォーター flows 31項目 JIS17項目を公表 細菌・大腸菌をその他14項目に含む その他14項目は80%以上と記載
Locca litta 29種類 JIS17項目を公表 含まない(化学物質のみ) 除去可能と記載・除去率の数値は確認できず
しずくりあ Pitto/Pitto mini 20項目 JIS17項目すべてを公表 含まない(JIS17+JWPAS B 3) JWPAS B 3項目に含むと記載
ウォータースタンド ピュアライフL 20項目 JIS17項目すべてを公表 含まない(JIS17+JWPAS B.210 3) JWPAS B.210の除去率80%と注記
  • ※各社公式サイトの記載(2026-08-23確認)。△は「劣る」という意味ではなく、他社と同じ物差しで比べられない・数値の公表を確認できなかった、という意味です。
  • ※JIS S 3201のろ過能力試験における「除去」は除去率80%を指します(ウォータースタンド公式の注記より)。
  • ※エブリィフレシャスのliteは32種類で、mini/tall/tall+cafeとは数が異なります。

みずくらべ

PFASは2026年4月から水道水の「水質基準」になった

各社がPFASを前面に出しているのには理由があります。ただし、ここは事実関係を正確に押さえておく必要があります。

環境省のPFASに関するよくある質問によると、水道については2026年4月1日からPFOS・PFOAが水質基準化され、合算値で50ng/L以下と定められました。これにより水道事業者等には水質基準値の遵守と水質検査の実施が義務づけられ、基準を超過した場合は飲用の摂取防止や水源の切り替えなどの低減化措置を講じることになっています(環境省・2026-08-23確認)。

同じページで環境省は、水道水質基準が食品安全委員会の耐容一日摂取量(TDI)を踏まえて設定されたものであり、基準値を超過した水の飲用が直ちに健康被害につながるものではないとも説明しています。

つまり、日本の水道水はすでに法的な基準の下に置かれています。浄水型サーバーのPFAS除去は、その上に重ねる「念のため」の位置づけと考えるのが妥当です。「浄水型サーバーがないと危ない」という話ではありません。この点をあいまいにしたまま不安を煽る書き方はしたくないので、はっきり書いておきます。

そのうえで、PFASの公表内容には各社差があります。

浄水型 | PFASの公表内容

PFASについて、各社が公開している情報の深さ

対応の有無は横並び。差が出るのは「どこまで数字を出しているか」です

対象物質の範囲除去率の数値試験条件の開示
エブリィフレシャス mini/tall 50種類 PFOS・PFOA 99.9%以上と明記 JWPAS B.210準用・原水500ng/L・総ろ過水量1,200Lまで公表
ハミングウォーター flows 31項目 PFOS・PFOA・PFHxS その他14項目は80%以上と記載 自社試験結果と記載・条件の詳細は確認できず
Locca litta 29種類 PFOS・PFOA 除去可能と記載・数値は確認できず その他規格12物質除去可能とのみ記載
しずくりあ/ウォータースタンド ともに20項目 PFOS・PFOA JWPAS B.210の除去率80% JWPAS B.210に基づくと明記
  • ※各社公式サイトの記載(2026-08-23確認)。△は性能が低いという意味ではなく、当サイトが公式ページ上で数値・条件を確認できなかったことを示します。
  • ※水道水のPFOS・PFOAは2026年4月1日から合算値50ng/L以下が水質基準です(環境省)。基準超過が直ちに健康被害を意味するものではないと環境省は説明しています。
  • ※しずくりあとウォータースタンドは同系統のフィルター構成で、公表内容も一致していました。

みずくらべ

「数字が大きい=高性能」と言い切れない3つの理由

ここが、この記事でいちばん伝えたい部分です。

理由1:数え方が統一されていない

すでに書いたとおりです。エブリィフレシャスの50種類は細菌8種類とウイルス2種類を含めた数で、ハミングウォーターの31項目は細菌・大腸菌を含む一方でウイルスは項目に入っていません。Loccaの29種類とウォータースタンドの20項目は化学物質のみです。分母が違うものを並べても、優劣の判定にはなりません。

理由2:日本の水道水にほぼ含まれない物質でも数は増える

しずくりあ公式が、自社に不利になりかねないことを正直に書いています。「除去項目数が多ければ必ずしも性能が高いとは限りません。日本の水道水には含まれる可能性が低い物質を加えて項目数を増やしている場合もあります」(2026-08-23確認)。

これは重要な指摘です。大切なのは数ではなく、JIS規格やJWPAS B基準で定められた有害物質をきちんと除去できるかどうかです。その意味で、今回の5機種はいずれも土台をクリアしていることになります。

理由3:フィルターを交換しなければ性能は続かない

どれだけ除去項目が多くても、カートリッジには寿命があります。Locca公式はlittaのろ過能力を「総ろ過量800L、除去率80%」と明記しており、交換は8か月に1回(使用目安3.3L/日)としています。ウォータースタンド ピュアライフLは総ろ過水量2,520Lで、フィルターは9か月に一度無料交換。エブリィフレシャスのmini/tall/tall+cafeは1年に1回です(各社公式・2026-08-23確認)。

つまり除去性能は「その総ろ過量までは保証される」という条件つきの数字です。使用量が多い家庭では、公表されている期間より早く性能が落ちる可能性があります。交換頻度と費用のしくみは浄水型ウォーターサーバーのカートリッジ交換費用と頻度を比較で詳しくまとめています。

浄水性能を軸に選ぶなら、どこを見るか

数の大小で決められないなら、何を見ればいいのか。実際に比べられるポイントは3つです。

  1. JIS S 3201の17項目を全部押さえているか — 今回の5機種はすべてクリアしていました。ここを公表していない機種は候補から外して構いません。
  2. PFOS・PFOAが除去対象に入っているか — こちらも5機種すべて入っていました。
  3. 除去物質の一覧と試験条件まで公開されているか — ここは差が出ます。

3つ目について補足します。「50種類」とだけ書いてある会社と、40+8+2の物質名を全部並べたうえで、PFASの試験条件(準用した規格・原水濃度・総ろ過水量・検出限界)まで書いている会社では、読者が検証できる情報量が違います。数字そのものより、この開示姿勢のほうが判断材料としては使えます。

その点で情報量が最も多かったのがエブリィフレシャスでした。ろ材構成(5層フィルター)、除去物質40種類・細菌8種類・ウイルス2種類の全リスト、PFASの試験条件までが1ページに載っています。

なお、月額の安さで選ぶならLocca littaのほうが安いという点も書いておきます。当サイトの機種データでは、littaが月額約2,967円(水代0円+水道代、Loccaお得プラン6年)、エブリィフレシャス tallが約3,701円(同)です(いずれも2026-07-12取得)。littaは最低利用期間6年・解約金は段階制という条件があるので、浄水性能の情報量を取るか、月額を取るか、縛りの短さを取るかという三択になります。当サイトは広告報酬で順位を動かさない方針なので、ここは正直に書きます(広告に関する方針)。

注意点:浄水型サーバーにできないこと

良い面だけでなく、限界も書いておきます。

  • 除去率は100%ではありません。 JIS S 3201のろ過能力試験における除去は除去率80%が基準です(ウォータースタンド公式の注記・2026-08-23確認)。「ゼロになる」わけではありません。
  • ミネラルは残ります。 これはメリットとして語られることが多いのですが、裏を返せば「水の硬度を自由に変える装置ではない」ということです。地域の水道水の硬度は残ります(ウォーターサーバーの水は軟水?硬水?硬度で選ぶ選び方)。
  • サーバー本体の衛生管理は別問題です。 フィルターが除去できるのは注いだ水道水に含まれる物質であって、給水タンクや注ぎ口の清掃は利用者の作業として残ります。
  • 健康効果をうたうものではありません。 本記事で紹介した数値はいずれもメーカーの公表する浄水性能であり、特定の疾病の予防や改善を意味するものではありません。体調に関わる判断は医師・薬剤師にご相談ください。

よくある質問

Q. 除去項目数がいちばん多い機種を選べば間違いないですか?

A. そうとは言い切れません。数え方が各社で違ううえ、しずくりあ公式も「日本の水道水には含まれる可能性が低い物質を加えて項目数を増やしている場合もある」と説明しています(2026-08-23確認)。JIS S 3201の17項目とPFOS・PFOAを押さえているかを最低ラインとし、そのうえで月額・縛り・置き場所で選ぶのが現実的です。

Q. PFASが心配です。浄水型サーバーは必要ですか?

A. 環境省によると、2026年4月1日から水道水のPFOS・PFOAは合算値50ng/L以下が水質基準となり、水道事業者に検査と基準遵守が義務づけられています(2026-08-23確認)。まずお住まいの水道事業者が公表している水質検査結果を確認するのが先です。そのうえで「念のため取り除いておきたい」と考えるなら、今回の5機種はいずれもPFOS・PFOAを除去対象として公表しています。

Q. 宅配水(天然水・RO水)と浄水型では、どちらがきれいですか?

A. 比べる軸が違うので、単純な優劣は付けられません。浄水型は水道水から特定の物質を除去する方式、宅配水は採水地の水やRO膜処理した水を運んでくる方式です。方式ごとの違いはRO水と天然水はどっち?違いを月額と縛りで比較にまとめています。

Q. 一般的な浄水器と、浄水型ウォーターサーバーで除去性能は違いますか?

A. どちらもJIS S 3201を基準にしている製品が多く、性能そのものは一概に浄水型サーバーが上とは言えません。違うのは運用面で、浄水型サーバーはカートリッジが定期配送されるため買い忘れが起きにくい、という点です。詳しくは浄水器と浄水型ウォーターサーバーの違いは?どっちがいいか比較をご覧ください。

Q. カートリッジを交換し忘れたらどうなりますか?

A. 各社が総ろ過量(Locca littaは800L、ウォータースタンド ピュアライフLは2,520Lなど)を公表しているとおり、除去性能はその範囲を前提とした数字です。期限を超えて使い続ければ性能は落ちていきます。多くの機種は交換時期に合わせて無料で定期配送されるしくみになっています。

まとめ

  • 今回調べた浄水型サーバー5機種は、全社がJIS S 3201の17項目とPFOS・PFOAを除去対象として公表していました(2026-08-23確認)。土台は横並びです。
  • 「50種類」「31項目」「29種類」「20項目」という数字は、細菌やウイルスを含めるかどうかなど数え方が違うため、そのまま大小を比べられません
  • JIS S 3201の試験で言う除去は**除去率80%**であり、ゼロになるわけではありません。また総ろ過量を超えれば性能は落ちます。
  • 水道水のPFOS・PFOAは2026年4月から水質基準(合算50ng/L以下)となり、検査が義務化されています。浄水型サーバーの除去機能は、その上に重ねる位置づけです。
  • 実際に比べる価値があるのは数字の大小ではなく、除去物質の一覧と試験条件をどこまで公開しているかです。

浄水性能の情報量を重視するなら、除去物質の全リストとPFASの試験条件まで公開している機種から検討するのが確実です。

※料金・キャンペーン条件は執筆時点のものです(取得日:2026-08-23/月額データは2026-07-12取得)。最新は各公式でご確認ください。

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